狙われし王女と秘密の騎士

しかしカイルは苦笑して頷く。


「まぁ、な。でも、結局は隣の芝生は青く見えるもんでさ。俺にしたら、エルシール国王のほうが民を大切に思っている思慮深い方だと思うぜ?」


そういってカイルは私をチラッと見た。
ナルエル国民そう言ってもらえるのはとても嬉しい。
父王のことを思い浮かべほのかに笑みがこぼれた。

すると、隣のお頭が突然大きな声で叫んだ。


「あ、ほら!町の入り口が見えてきたぜぇ!」


その太くてゴツい指が指さす方には町の入口である関所の門が見えてきた。

この町を越えると、ナリエル王国がすぐだ。



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