私の好きなヒト。
「敬真っ?!」
扉の方から女の声がして、あたしと彼は扉に目線をやる。
と、彼は少し笑みを消した
女の人は制服を着て顔立ちの良いキレイな人。
「…愛美」
よく見ればあたしと髪型がよく似ていた。
ストレートロングの黒髪で、どことなく肌の色も色白でそっくり。
だから彼は一瞬勘違いしたんだ?
「何で逃げるの?…ていうか誰その女」
カラーコンタクトをしているのか、青っぽい瞳の女の人はあたしをギロッと睨む。
それに気付いた彼はその場で立ち上がり、女の人にあたしの姿を隠すように、あたしの目の前に立つ。
「こいつはたまたま会っただけだから」
「こんな誰も使わない教室で?」
信じない女の人は、さらに荒い口調に変化する。