私の好きなヒト。





「全部…敬真に近付くアンタみたいな人達が悪いのよ!!」




急にあたしは愛美さんに頬をビンタされた。




状況がついていけないあたしには、どうする事も出来ずに、ただ突っ立っている。




彼はあたしを叩いた愛美さんの手を掴むと少し強く力をいれた。




「痛っ」




「ふざけんなよ?こいつに謝れよ」




表情はさっきの笑顔の人と別人のように、目が怖かった。




愛美さんはポロポロと涙を出している




彼はキレる寸前なのかも知れない…力を入れた掴んでいる手が、どんどん強くなっているみたいだった




「や、やめてください!」




見ていられないあたしは思わず声を上げた。




あたしの言葉に我に返った彼は、手を離す




そして泣いている愛美さんは無言で資料室を走り去ってしまった。






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