私の好きなヒト。
ポカンとただ愛美さんが出て行った扉だけを見つめる。
彼は機嫌が悪いのかクシャッと髪の毛を掻いた。
「ごめん、俺が誤解解いてれば…」
「いえ…大丈夫ですっ」
軽く残った熱で頬が赤くなっているみたい
いきなりビンタされるなんて考えてもみなかった…初めてビンタされたかも。
「痛かったよな?」
やっぱりさっきの怖い表情とは違い、優しい瞳をしてあたしを見てくれている。
名前は…敬真?だっけ?
そんな事を不思議に考えていると、彼は気付いたみたい
「俺は森宮敬真。お前は?」
「えっと…七瀬桃奈」
これが彼との出会いだった……