私の好きなヒト。
遊佐は頷きながら話し終わるまで、黙っていてくれた。
おかげで自分の気持ちを全部吐き切って、スッキリ
「お前はどうしたいの?」
「どうしたらいいの」
ハァとため息を零したあたしは、バタンとふかふかの布団に寝そべる。
どうしたらいいのかなんて分かんない。
再婚なんて考えてなかったし、パパの事は益々思い出しちゃうし…
でもママの悲しむ顔なんて絶対見たくない。
だからって再婚を認めたところで、あたしは快く受け入れるなんて保障はない。
顔を埋めた枕には保健室の薬品の匂いが微かに漂ってくる。
「それがお前の運命だと思えばいいんじゃね?」
「うんめい?」
「お前は再婚したら生活が心配なんだろ?不幸になるなんてお前の母ちゃんは望んでいない。だからこれ以上不幸になるはずはない。今から幸せになるんじゃねーの?」