私の好きなヒト。
よく意味が理解出来なくって、頭の中にハテナを浮かべるあたし。
「だからぁ…お前の母ちゃんは、お前が幸せになる為に再婚するんじゃねーの?」
"ママ自身の為に再婚するんじゃなく、あたしの為に"
やっと分かった、遊佐の言いたい事が…こういう事でしょ?
足をバタバタさせていたあたしの足は自然に静かになる。
チラッと遊佐の顔を見ると、満足そうにニッと笑っていた
そういう事なんだ……って事は再婚をすれば幸せになるのかな。
何だか理屈が解消して、心が少し安心したかも…
するとバンッと扉が開く音がして、遊佐は扉に目をやる。
…と。
忘れるはずがない。頬を叩いた…愛美さんだ。
愛美さんは泣いたせいか、目を真っ赤にしながら身体はびしょびしょ。
制服のままシャワーを浴びたようにどっぷりと水が滴っている。
「ちょっと待ってろ」