野球が嫌い。あんたも…大っ嫌い!
冷蔵庫のドアを開け
アレ…!? ない!!
目的のものが見当たらなくて、思い切り振り返る先はお母さん。
「お母さん! 炭酸が見当たらないんだけど!」
「あら。なかった? じゃ買い忘れちゃったのね。我慢して麦茶でも飲んで」
なんですと!!
お母さんの信じられない発言にあたしは声を上げる。
「ダメ、ダメ! 今のあたしのカラダは炭酸を求めてるの! 夏の夜は炭酸って決まってるの!!」
「そんなこと言われてもね、ないものはないし…」
そんなぁ…と、こんなことで諦めるあたしじゃない。
こうなったら
「コンビニ行ってくる!!」
自分の飲みたいものぐらい自分で買いに行きますとも!!
あたしは冷蔵庫のドアを閉め、体を180度回転。
自分の部屋にケイタイとお財布を取りに行き、すぐさま玄関に向かう。
「遅い時間なんだから一応気をつけるのよ~。あ、ついでに牛乳もお願いね~」
リビングから聞こえてきたお母さんの気抜けした声に「はいはい」と答え、あたしは家を出た。