野球が嫌い。あんたも…大っ嫌い!
って!!
何よキューンって!!
こんな野球バカに反応しちゃってるあたしの心臓どうかしてる!!
ありえない!
ありえないんだから!!
あたしは壊れた心臓の動きに気づかれたくなくて
強い口調を変えずに言い続けた。
「そ、そんなことを言うだけのために呼び止めたの?」
「そーだけど? 俺の大事な幼馴染みに何かあったら大変だしな」
――!!
「ば、ばっかじゃないの! あんたなんかに心配されなくったって、気をつけて帰れますから!」
「ははっ、そっか。――あ、そうだ。今度さ…」
そこまで言ってあたしと健太は同時にある方を見た。
奥の方でかかる号令。