ベランダに出て、下を見る。

そんなに高くはなくて、死ねないかもしれない。

でも、覚悟はできてる。


目を閉じて、今までを思い起こす。


「片山さん?」

聞き慣れた声に目を開くと、同級生の朱李。

私の大嫌いな女。

無表情で、冷たくて大嫌い。

「あか…り」

私は、朱李を睨みつけた。

「どいて。下敷きになるわよ?」

邪魔しないで。

もう、こんなに辛い思いをしたくない。
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