「あっそ。勝手にしたら?」

そう言って背を向ける朱李に、カチンとくる。

朱李が、クルッと振り返った。

「何、怒った顔してるのよ。死にたいんでしょ?それとも何か、期待した?」

ニッと笑って、朱李はまた背を向ける。

死んでやる。

絶対コイツは、私が死なないと思ってる。

グッと目をつぶったその時。

「なーんてね」

朱李が、優しく微笑む。

「え…」

私がキョトンとしていると、朱李が悲しそうな目をした。
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