memory~前世の恋人~【仮】
「…お兄ちゃん、ごめん」
「いいよ。いつものことだから」
「う…」
「それに、母さんも言い過ぎるとこがあるから。たまに、許せなくなる」
「…」
「いくら母さんでも、俺の妹を侮辱されるのは気分が悪い」
母さんは、鈴音に厳しい。
そしてよく、俺たちを比べる。
それがどうしてなのかは、わからない。
けど、あんな風に鈴音を悪く言うのを聞いているとイライラする。
心の奥底からー…?
ズキン!
頭に鈍い痛みが走った。
それと同時に、一瞬だけ映像が頭の中を横切った。
誰かが…俺の背後で泣いているー…?