memory~前世の恋人~【仮】
家に持って帰ったりしたら、またお母さんにー…
「おい。」
背後から男の人の声が聞こえた。
「待てよ」
地面に写った影をみると、だんだんこっちに近付いて来ている。
誰?何…?
"待てよ"と呼び止められなくても、足が動かなくなってしまった。
「…ほら。返す」
ポイッと投げられたのは、丸められた紙。
あ…
その紙は、さっき草むらに向かって捨てたはずのテストー…
「人に見られて恥ずかしい点数は、家で捨てるべきだぜ?」
ニヤリと笑われながら言われた。
「!」
カァっと顔が熱くなったのがわかる。