memory~前世の恋人~【仮】
「…お兄ちゃん、ごめん」
階段を上りながら、お兄ちゃんの後ろ姿に謝る。
「いいよ。いつものことだから」
「う…」
「それに、母さんも言い過ぎるとこがあるから。たまに、許せなくなる」
「…」
「いくら母さんでも、俺の妹を侮辱されるのは気分が悪い」
お兄ちゃんー…
嬉しいけど…なんか、複雑。
「とにかく勉強するぞ。後でお前の部屋行くから、教科書出して待ってろ」
そう言うと、お兄ちゃんは自分の部屋に入って行った。
パタンと、静かに閉まったドア。
そのドアに、静かに寄りかかる。
お兄ちゃん…
好きだよー…