マザーオブパールの魔法

私たちは美波の隣に座り、花は輪の真ん中に座った。
私はもえに聞いた。
　「どうして、花ちゃんだけ中心に座っているの？」
しかし、もえは返事することは無く、それどころか、唇の前に指を当てて《静かに！》というような動作をした。
　「あのさ、どうして昨日部活に来なかったの？」
そう言ったのは美波だ。
確かに昨日、花は部活に来なかった。
　「それは、病院に行ってたからです。」
花の返事を待っていたかのように、周りにいる人たちが次々にいろんなことを言い始めた。
　「だったら、どうしてそのことを部長に言わないの？」
　「忘れてたんです。」
　「忘れるはずがないでしょ。
　　だって先日みんなで部のルールを決めたじゃん。」

えっ？ルール？そんなの決めた覚えが無い。
　「ねぇ、ルールって何？」
私は美波に聞いた。
　「あっ、そっか。清來ちゃんが来る前にみんなでこの部のルールを決めたの。
　　はい。これがルールの紙。」