マザーオブパールの魔法
 「おはよう、もえ。」
 「おはよう、清來。大丈夫?部活行く時一緒に行こうよ!」
 「うん、ありがとう。」
それから、今日の授業は全く身に入らなかった。
美波に何と言われるのかずっと考えていたからだ。
気づくともう少しで帰りの会が終わろうとしている。
今の時間が終わってほしくないと思うのは初めてだった。

美波のせいか?
いや、違う。
私自身が行くのを拒否しているのだ。
 「では、さようなら。」
先生の声がした。
帰りの会が終わった。
廊下の方を見ると、もえが待っていた。
私は少しほっとした。
なぜなら、さっき廊下を見たら、美波たちが待っていたからだ。
しかし、今はいなかった。
 「行こう、清來。」
 「うん・・・」
部室へと向かうが、足が思うように進まない。
足が重い。
緊張がピークになりそうだった。
 「・・・こんにちわ。」
恐る恐る中へと入っていった。
私ともえ以外全員来ていた。
 「清來、ちょっと。」
美波が手招きで私を呼んだ。
 「・・・何?」
 「まあ、ちょっとここ座って。」
指定された場所はみんなの中心。
つまり輪の真ん中。

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