マザーオブパールの魔法
 それから私は、毎日お見舞いに行った。
いく日もいく日も私は病院に行った。
しかし、いくら行っても、何度話しかけても祖母が目を開けることはなかった。

今日も、私はいつものように祖母に話しかけていた。
 「ねぇ、おばあちゃん。生きてね。また私に大きなおむすび握って。また元気な笑顔を見せてよ。」
よく見ると、祖母の顔に何かがついていた。
涙だった。
しかし、その涙は私が流したものじゃない。
よく見ると、一滴、また一滴と祖母の目から涙が流れていた。
その時、心拍を表す機械のライトが緑から赤に変わった。
祖母の命が危ない印だ。
何人かの医師が来て、何度も心臓マッサージを繰り返している。
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