マザーオブパールの魔法

　「えっ、いや、それは・・・」
私はしばらく俯いていた。
翔くんが私の顔をのぞき込んできた。
　「どうした？」
声をかけてきた。
何て言おうか悩んでいた。
　「お兄ちゃんとは３年前から会っていないんです。ですから今、どこにいるのかもわかりません。」
　「そっかぁ。それは残念。」
しょんぼりとしてしまったので、すみません。と頭を下げた。
　「いや、大丈夫。ところで、清來の首にあるそのペンダントかわいいね。」
　「ありがとう。」
　「その真ん中の石は、｛マザーオブパール｝だよね？」
私は驚いた。
ペンダントを持っていたものの、石の名前まで知らなかった。
　「そういえば、健も同じ石のブレスレットを持っていなかったっけ。」
いきなり話しかけられてびっくりしたらしい。
目が大きく見開いている。
　「あ？ああ。これだろ。」
健くんは右手の手首につけてあるブレスレットを差し出した。
ブレスレットには確かに、ペンダントと同じ石があった。