マザーオブパールの魔法
 「私とお兄ちゃんが会えたのはこの石の魔法なんだって。」
 「魔法かぁ・・・。確かにそうかもしれないな。」
 「だよね。私もそう思うもん。」


そうだよ。きっとそう。
この石にはそんな力があるんだと思う。

そう思いながら私は目をつぶった。


お兄ちゃん、私、今すごく幸せだよ。
この世にいる誰よりも幸せかもしれない。
・・・ううん。
幸せかもしれないじゃない。
違う。
この世にいる誰よりも幸せだよ。


そう心の中で呟いていた時。

 「おい、清來!そろそろ夕日が出るぞ!」

兄が叫んだ。
私は目をパッチリと開けて前を見た。
目の前では、今にも太陽が落ちようとしている。
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