マザーオブパールの魔法
 「ねえ、おばあちゃん。」

私は声をかけた。
 
 「なんですか?」
 「これからずっとここで暮らしてもいい?」

祖母はびっくりしていた。
 
 「どうして?お母さんが心配しますよ。」
 「私なんか、心配してないよ。」
 「そんなことないですよ。どうしてそう思うのですか?」
 「だって・・・。私、今日住む所が無くてここに来たんだもん。」

祖母の顔から笑顔が消えた。

 「それは、一体どういう意味ですか?」
 「あまり、言いたくはないんだけどな。」
 「お願いします。」
 「分かった。今から話すことは決して冗談じゃないから、真面目に聞いて。」

私は今までのことを全て話した。
 
「ひどすぎますね。私が電話してお母さんを叱ってあげますよ。」
そう言って、祖母は受話器に手をかけた。
私はすかさず祖母の手から受話器をひったくった。
 「やめて!電話しないで!」
 「どうして?」
 「やだ。理由は無いけど、とにかくやだ。」

祖母はそれ以上聞くことはなかった。
そんなこんなで私は祖母の家で暮らすことになった。
学校にもいけるようになった。
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