Real☆〜好きになってはイケナイ〜



わたしの手の中には、
茶色でもない、こげ茶色でもない毛糸で モコモコに編みこまれた



“小さなくまの人形”






名前はナイ。






耳には赤いリボンがつけられて、赤いレースのスカートを履いている。








おしゃれなくまちゃんは、首から小さなクリスタルビーズのネックレスを下げていた。










『あーあ、またネックレスつなげなきゃ…だね。ハァ……』








細かい作業は苦手だけど、くまちゃんのネックレス用ビーズが揃っていたことに安堵する。








「って…、オイ!!
なにする気??」








光太郎君が、信じられない。といった表情で私を見ている。









『なにって…。
コレ、つなげるんだけど?』









なくならないよう、ハンドタオルの上に置いたビーズに目をやる。











「授業……始まるぜ?」









『わかってる。
でも、ビーズがなくなったらイヤだもの。
つなげておきたいの…。』








そう言って、おばあちゃんに言われるがまま持ち歩かされている小さな裁縫セットを取り出した。








ホントはビーズはこんな糸ではつなげないけど仕方ない。応急処置だ!!








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