ますかれーど
深紅の仮面
遅ぇんだよ。
もう……遅ぇんだ。
好きだという想いを
砕いて散らしてパンドラに葬った。
その想いは
“愛してる”に膨れ上がって、何度もフタを押し開けようとしたけれど‥
お前は俺から遠ざかった。
お前を笑顔にしたのは、
お前の仮面を砕いたのは
ーー‥俺じゃない。
お前は、アイツと居た方がよく笑う。
魅さんが天使になった、流星群のあの夜。
俺はお前の兄貴で居ようって、パンドラに固く封をした。
押し込められた想いは、箱の底に焦げついて
もう‥
出ては来ねぇ。
なのに、
なのに……っ
なぁ、
ーーー泣くなよ‥っ
深紅の仮面