ますかれーど
「ねぇねぇ心。どっちから告白したの?とーぜんクロだよねぇ?」



ワクワクキラキラしている優花さん。



「それがねぇ、母さん‥」

「ーー‥えぇーっ!!心から!?」

「そーなんだよ。しかも兄貴ってば‥」

「1回フってるですってーっ!!」

「信じらんないでしょー?」

「信っじらんない。我が息子ながら不甲斐ないわぁ‥」



洗面所から出た時、何故だかみんな勢揃いしてたんだ。



「だってさ、蒼?」



くすくすと笑う拓弥さんの横には、お世辞にも機嫌が良いとは言えないお父さんが立っていた。



「お父さん‥お帰りなさい」

「ああ」



腕を組んで、低く声を発したお父さんの周りには、いかにも“怒ってます”みたいな空気が漂っている。



「あ‥あの、蒼さん」



そのオーラに怖じ気づいたのか、玄の身体は強張り、繋いでいた手にぎゅっと力が入った。


そしてーー‥



「俺、大事にしますっ!ずっとずっと、大事にしますからっ。だから、









心を俺にくださいっ!」








「「「「‥え゛」」」」






みんなでフリーズする。どこから突っ込もうか、色々と考えてるんだと思う。



「クロ」

「は、はい!」



でも、この2人の間には何か通じるものがあったらしくて。



「お前も今日から俺の息子だ」

「は、はい!ありがとうございますっ」



って、抱き合っていた。



「くすくす‥くっくっくっく‥あーっははははははははははははは」



それを見て、ソファーをバシバシと叩きながら爆笑してる拓弥さん。



「えーっ!何?いきなり!?‥あ、ってことは、心があたしの義姉になるってこと!?」



キャーキャー跳ね回りながら騒ぐ麗花。



「ということはだよ?私、みぃの親戚になるんだーぁ♪やっばい!柚子に連絡しなきゃっ」



なんだかハイテンションで電話をかけ始めた優花さん。




そして、何がなんだか頭が回ってない私。



「心」



上を見れば、優しく弧を描いた私と同じ色の瞳。



「お母さんのとこ、行くか」

「うんっ」






一面の青空には

ぷかりと

真っ白な雲が1つだけ
浮いていた。



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