ますかれーど
「あんたさ、自分の所為で心がどんな目にあったのか知ってるんだよね?」
麗花の低い声が響く。恐ろしく周りは静かだ。教室内も、廊下の人たちも、聞き耳を立てているのが分かる。
「はい」
麗花の威圧するオーラに負けることなく、真っ直ぐに前を見る彼は、凄いと思った。
「ならなんでここに居るの?あんたが心に近づけば、それだけ敵が増えるのよ」
「わかってます」
私のハナシをしてるんだけど、私が入る隙なんてなくって‥
「その“敵”を、あんた‥抑えられんの?今もほら、浴びなくてもいい視線を浴びてる」
麗花はぐるっと周りを見た。
すると、
ほとんどの人たちは、フリーズしていた動きをぎこちなく再開させ始めたのがわかる。
「軽い気持ちで近づかないで。あんたの影響力は、あんたが1番よく知ってるでしょう?」
確かに。
出逢ってから数日、彼の影響力に振り回されてる気がする。
すると彼は、その紺色の瞳で真っ直ぐに麗花を見たまま、拳にぎゅっと力を入れた。
そしてーー‥
「軽い気持ちなんかじゃないです。
ずっと、ずっと好きでした」
ーーーー‥え?
「心は、俺が護ります」
真っ直ぐで、迷いのないその言葉。
私のナカは、きゅんと苦しくなる。
すると麗花は、更に厳しい顔をして彼に言い放つ。
「あんたは1年。心は2年。無理ね」
そう。
学年の違いは大きいと思う。
四六時中一緒に居られる訳じゃない。
すると彼は、その真剣な顔をふっと緩めて微笑んだ。
「麗花さんが居ます」
「ーー‥は?」
「俺が隣に居られない時は、麗花さんが居てくれます」
その言葉に、麗花はついに視線を下げ、両手で顔を覆って壁にもたれかかった。
ーー‥音がない。
通行人やそこに居る人たちは、この緊迫した空気を察してなのか、フリーズしたまま動かない。
どくん、どくんと自分の血が流れる音が聞こえる。
ーーーーーーーー‥
「ーーぷっ‥」
ーーー‥?
「あっはっはっはっはっはっはっはっーーはっはっはっははははーー‥」
びくっ!!
いきなり響き始めた麗花の笑い声。
そこに居た全員が、突然の“音”にびくっと肩を上げた。
麗花が……壊れた。
麗花の低い声が響く。恐ろしく周りは静かだ。教室内も、廊下の人たちも、聞き耳を立てているのが分かる。
「はい」
麗花の威圧するオーラに負けることなく、真っ直ぐに前を見る彼は、凄いと思った。
「ならなんでここに居るの?あんたが心に近づけば、それだけ敵が増えるのよ」
「わかってます」
私のハナシをしてるんだけど、私が入る隙なんてなくって‥
「その“敵”を、あんた‥抑えられんの?今もほら、浴びなくてもいい視線を浴びてる」
麗花はぐるっと周りを見た。
すると、
ほとんどの人たちは、フリーズしていた動きをぎこちなく再開させ始めたのがわかる。
「軽い気持ちで近づかないで。あんたの影響力は、あんたが1番よく知ってるでしょう?」
確かに。
出逢ってから数日、彼の影響力に振り回されてる気がする。
すると彼は、その紺色の瞳で真っ直ぐに麗花を見たまま、拳にぎゅっと力を入れた。
そしてーー‥
「軽い気持ちなんかじゃないです。
ずっと、ずっと好きでした」
ーーーー‥え?
「心は、俺が護ります」
真っ直ぐで、迷いのないその言葉。
私のナカは、きゅんと苦しくなる。
すると麗花は、更に厳しい顔をして彼に言い放つ。
「あんたは1年。心は2年。無理ね」
そう。
学年の違いは大きいと思う。
四六時中一緒に居られる訳じゃない。
すると彼は、その真剣な顔をふっと緩めて微笑んだ。
「麗花さんが居ます」
「ーー‥は?」
「俺が隣に居られない時は、麗花さんが居てくれます」
その言葉に、麗花はついに視線を下げ、両手で顔を覆って壁にもたれかかった。
ーー‥音がない。
通行人やそこに居る人たちは、この緊迫した空気を察してなのか、フリーズしたまま動かない。
どくん、どくんと自分の血が流れる音が聞こえる。
ーーーーーーーー‥
「ーーぷっ‥」
ーーー‥?
「あっはっはっはっはっはっはっはっーーはっはっはっははははーー‥」
びくっ!!
いきなり響き始めた麗花の笑い声。
そこに居た全員が、突然の“音”にびくっと肩を上げた。
麗花が……壊れた。