ますかれーど
あのね、
私が産まれたのは
9月15日の十五夜。
黄金じゃなくて、
お父さんと同じ色に輝く満月が、ソラ中を照らしていた綺麗な夜なんだって。
優しく包むその光が
母子ともに助けてくれたんだろうって。
月の満ち欠けは
まるでココロの移り変わり。
だから私は
“心”っていうの。
ーーーーー‥
小鳥の声で、目覚ましよりも先に起きる。
あれだけ夜更けまで話していたのに、スッキリと目覚めの良い朝だ。
制服に着替えて階段を下りると、焼きたてのパンの良い香りでいっぱいだった。
「おはよう」
「おはよう。パン焼いたのよ♪オレンジジュースにする?ココアにする?」
キラキラと可愛らしい笑顔で迎えてくれたお母さん。
お父さんが出発した次の朝だけど、いつものような寂しい背中なんか、悲しい顔なんか見えなかった。
「あ、えと‥牛乳をお願いシマス」
そう私が言うと、お母さんはちょっと驚いたような顔をしたけれど‥
「はい♪」
って嬉しそうに私のグラスに牛乳をついでくれた。
「「ふふふっ」」
2人で笑いながら朝ご飯を食べる時がくるだなんて‥思ってなかった。
お父さんとも、こんな風に穏やかに笑いながら食卓を囲めるかな?
なんかね、
お父さんが帰ってくる日を、今から楽しみにワクワクしてる自分がいる。
メールでも、してみようかなーー‥
ピーンポーン
玄関で鳴るチャイムに、はっと時計を見ればもうこんな時間。
「いってきまーす」
「あ、心っ」
「ん?」
「はい、お弁当」
ピンク色の丸いポーチに入ったお弁当。
それを受け取った私は、なんだか‥
うずうずとくすぐったかった。
「いってらっしゃい」
大きなお腹を抱えながら、もう片方の手を振って見送ってくれるお母さん。
幸せ。
うんっ
幸せだと思う。
ガチャ‥
玄関の扉を開けると、朝陽が眩しい、綺麗な空に目が眩む。
「おはよ♪」
眩んだ目がハッキリとしてきた時、見えてきた紺色の彼。
「おはようっ♪紺野くんっ」
「ーー‥え」
毎日、毎日、同じ事を繰り返すだけだと思っていた日常。
このメビウスは、きっと変わるね。
「行こうっ」
「あ、待って心太っ」
私が産まれたのは
9月15日の十五夜。
黄金じゃなくて、
お父さんと同じ色に輝く満月が、ソラ中を照らしていた綺麗な夜なんだって。
優しく包むその光が
母子ともに助けてくれたんだろうって。
月の満ち欠けは
まるでココロの移り変わり。
だから私は
“心”っていうの。
ーーーーー‥
小鳥の声で、目覚ましよりも先に起きる。
あれだけ夜更けまで話していたのに、スッキリと目覚めの良い朝だ。
制服に着替えて階段を下りると、焼きたてのパンの良い香りでいっぱいだった。
「おはよう」
「おはよう。パン焼いたのよ♪オレンジジュースにする?ココアにする?」
キラキラと可愛らしい笑顔で迎えてくれたお母さん。
お父さんが出発した次の朝だけど、いつものような寂しい背中なんか、悲しい顔なんか見えなかった。
「あ、えと‥牛乳をお願いシマス」
そう私が言うと、お母さんはちょっと驚いたような顔をしたけれど‥
「はい♪」
って嬉しそうに私のグラスに牛乳をついでくれた。
「「ふふふっ」」
2人で笑いながら朝ご飯を食べる時がくるだなんて‥思ってなかった。
お父さんとも、こんな風に穏やかに笑いながら食卓を囲めるかな?
なんかね、
お父さんが帰ってくる日を、今から楽しみにワクワクしてる自分がいる。
メールでも、してみようかなーー‥
ピーンポーン
玄関で鳴るチャイムに、はっと時計を見ればもうこんな時間。
「いってきまーす」
「あ、心っ」
「ん?」
「はい、お弁当」
ピンク色の丸いポーチに入ったお弁当。
それを受け取った私は、なんだか‥
うずうずとくすぐったかった。
「いってらっしゃい」
大きなお腹を抱えながら、もう片方の手を振って見送ってくれるお母さん。
幸せ。
うんっ
幸せだと思う。
ガチャ‥
玄関の扉を開けると、朝陽が眩しい、綺麗な空に目が眩む。
「おはよ♪」
眩んだ目がハッキリとしてきた時、見えてきた紺色の彼。
「おはようっ♪紺野くんっ」
「ーー‥え」
毎日、毎日、同じ事を繰り返すだけだと思っていた日常。
このメビウスは、きっと変わるね。
「行こうっ」
「あ、待って心太っ」