ますかれーど
その声に、私は彼を追いかけて走り始めた。
すぐに走って教室を出たはずの私。
でも、右を見ても 左を見ても彼はいない。
なんで?どうして?
そんなに止まってた時間が長かった?
彼を探した。
探さなければいけない気がしたの。
あんなに冷たい瞳を初めて見た。
あんなに凍てつくオーラを初めて感じた。
追いかけて、掴まえたとしても、私が受け止めきれるかどうかなんて分からない。
でも、今は彼の隣に居なければならないの。
そんな気がして、仕方がないのーー‥
その時、ふっと頭をよぎった風景。
きっと彼は、そこに居る。
暑い暑い外の空気。
太陽が飽きることなく肌を突き刺す。
真夏の真っ青な空に見えるのは、ぷかぷかと気まぐれに日陰を作っては遊んでる白い雲。
元気の良い緑で、さわさわと鳴る木々たちは
まるで、赤いベンチに三角座りでうずくまってるその人を護るように
少しだけ温度の低い影を落としていた。
「紺野くん?」
声をかけても、顔を足に埋めたままの彼。
私は、どうすれば良いのか分からなくって‥。
彼の左隣に腰を下ろした。
この間まで咲いていたチューリップは、もうなかった。
その代わり、
大きく大きくなった向日葵が元気に空を見上げてる。
「心太‥」
ようやく口を開いた彼だけど、その声はか細く、弱々しかった。
「俺‥自分が恐いよ」
顔を伏せたまま、膝の上で組んだ腕に爪を立てるようにチカラを込めた彼。
「はは。今なら俺、あの人を殺せそうだ‥」
揺れる声‥泣いてるの?
私は、彼にかける言葉が見つからなかった。
だって、何て言えば良いの‥?
きっとどんな言葉だって、今の彼の胸には届かない。
ーー‥紺色。
青の中で最も
深い、深い、紺色。
その深さが、そっくりそのまま彼の闇‥なのかもしれない。
私は、そっと彼を胸に抱いた。
そんなことしか出来なかった。
すると彼はこちらに顔を向けて、ニコリと‥悲しい水色の笑みを浮かべて見せた。
貼り付けた笑顔‥
その悲しみの水色
元気な黄色
妖しい紫色
深い闇の紺色
知れば知るほど分からなくなる。
でも知りたくなる。
理解したいの。
ねぇ本当のあなたは、
ドコに居るのーー‥?
すぐに走って教室を出たはずの私。
でも、右を見ても 左を見ても彼はいない。
なんで?どうして?
そんなに止まってた時間が長かった?
彼を探した。
探さなければいけない気がしたの。
あんなに冷たい瞳を初めて見た。
あんなに凍てつくオーラを初めて感じた。
追いかけて、掴まえたとしても、私が受け止めきれるかどうかなんて分からない。
でも、今は彼の隣に居なければならないの。
そんな気がして、仕方がないのーー‥
その時、ふっと頭をよぎった風景。
きっと彼は、そこに居る。
暑い暑い外の空気。
太陽が飽きることなく肌を突き刺す。
真夏の真っ青な空に見えるのは、ぷかぷかと気まぐれに日陰を作っては遊んでる白い雲。
元気の良い緑で、さわさわと鳴る木々たちは
まるで、赤いベンチに三角座りでうずくまってるその人を護るように
少しだけ温度の低い影を落としていた。
「紺野くん?」
声をかけても、顔を足に埋めたままの彼。
私は、どうすれば良いのか分からなくって‥。
彼の左隣に腰を下ろした。
この間まで咲いていたチューリップは、もうなかった。
その代わり、
大きく大きくなった向日葵が元気に空を見上げてる。
「心太‥」
ようやく口を開いた彼だけど、その声はか細く、弱々しかった。
「俺‥自分が恐いよ」
顔を伏せたまま、膝の上で組んだ腕に爪を立てるようにチカラを込めた彼。
「はは。今なら俺、あの人を殺せそうだ‥」
揺れる声‥泣いてるの?
私は、彼にかける言葉が見つからなかった。
だって、何て言えば良いの‥?
きっとどんな言葉だって、今の彼の胸には届かない。
ーー‥紺色。
青の中で最も
深い、深い、紺色。
その深さが、そっくりそのまま彼の闇‥なのかもしれない。
私は、そっと彼を胸に抱いた。
そんなことしか出来なかった。
すると彼はこちらに顔を向けて、ニコリと‥悲しい水色の笑みを浮かべて見せた。
貼り付けた笑顔‥
その悲しみの水色
元気な黄色
妖しい紫色
深い闇の紺色
知れば知るほど分からなくなる。
でも知りたくなる。
理解したいの。
ねぇ本当のあなたは、
ドコに居るのーー‥?