ますかれーど
頬を滑ってゆく細い指先から伝わる、
あなたの‥熱。
ふっと見惚れてしまうほどに綺麗な微笑みを浮かべる彼に、きゅんとするのは何でだろ?
持ち上げられた顎。
親指でそっとなぞられる唇が、だんだんと熱を持ってゆく。
「心は、俺のこと好き?」
ーー‥好き?
それって、どんな感情?
こんな風に、触れられたところが熱くなったり、身体の中がきゅぅんってなったりすること?
わからなかった。
答えられなかった。
「ふふっアホ面♪」
「ふぇ?」
いきなり変わった彼のオーラに対応しきれず、変な声が出た。
柔らかくなったその雰囲気は、また私の知らない彼だった。
「だんだん好きになってくれれば良いから」
ふわりと私の背中に手を回して耳元で囁く声。
「心太は、俺のモノだもんね」
そう言うなりバッと立ち上がった彼が、「今は‥」なんて声を零していたなんて、私には聞こえてなかったんだ。
「生徒会の仕事、行っといで?俺は先に帰るね」
離れていく彼‥。
ふっと綺麗な笑みを残して去っていく。
「待って!!」
気が付くと、私は彼を呼び止めていた。
驚いたような、不思議そうな顔を私に向ける彼に、私は戸惑った。
「何?」
「え‥と」
呼び止めた理由なんて、私でさえもわからない。
ただなんとなく‥
そう。なんとなく。
そんな思考がぐるぐる廻ってる私をジッと見ていた彼は、次第に肩を揺らして笑い始めた。
「やっぱり面白いね♪心太は」
「あ、えと‥特に理由は……ない」
「ん。それで?」
「口が‥勝手に」
「ふーん。で?」
何を言っても、彼は疑問で返してくる。
呼び止めたのは私。私なんだけどーー‥
「ぅー‥」
理由が見つからない。だめ。ギブアップ!!
私が白旗をあげた時、笑いが収まったような彼は、優しい眼差しを私に向けた。
「心太」
「う?」
「うちに来る?」
おぉ!
そして私は、紺野くんのお家にお邪魔することになりました。
伸ばされた左手に、初めて私から手を置いて。
きゅっと握ったその手は、とてもとても大きかった。
男の子だ。
初めて意識した男の子。
この、なんだかワクワクしている感情を“恋”と呼ぶのかもしれないね。
あなたの‥熱。
ふっと見惚れてしまうほどに綺麗な微笑みを浮かべる彼に、きゅんとするのは何でだろ?
持ち上げられた顎。
親指でそっとなぞられる唇が、だんだんと熱を持ってゆく。
「心は、俺のこと好き?」
ーー‥好き?
それって、どんな感情?
こんな風に、触れられたところが熱くなったり、身体の中がきゅぅんってなったりすること?
わからなかった。
答えられなかった。
「ふふっアホ面♪」
「ふぇ?」
いきなり変わった彼のオーラに対応しきれず、変な声が出た。
柔らかくなったその雰囲気は、また私の知らない彼だった。
「だんだん好きになってくれれば良いから」
ふわりと私の背中に手を回して耳元で囁く声。
「心太は、俺のモノだもんね」
そう言うなりバッと立ち上がった彼が、「今は‥」なんて声を零していたなんて、私には聞こえてなかったんだ。
「生徒会の仕事、行っといで?俺は先に帰るね」
離れていく彼‥。
ふっと綺麗な笑みを残して去っていく。
「待って!!」
気が付くと、私は彼を呼び止めていた。
驚いたような、不思議そうな顔を私に向ける彼に、私は戸惑った。
「何?」
「え‥と」
呼び止めた理由なんて、私でさえもわからない。
ただなんとなく‥
そう。なんとなく。
そんな思考がぐるぐる廻ってる私をジッと見ていた彼は、次第に肩を揺らして笑い始めた。
「やっぱり面白いね♪心太は」
「あ、えと‥特に理由は……ない」
「ん。それで?」
「口が‥勝手に」
「ふーん。で?」
何を言っても、彼は疑問で返してくる。
呼び止めたのは私。私なんだけどーー‥
「ぅー‥」
理由が見つからない。だめ。ギブアップ!!
私が白旗をあげた時、笑いが収まったような彼は、優しい眼差しを私に向けた。
「心太」
「う?」
「うちに来る?」
おぉ!
そして私は、紺野くんのお家にお邪魔することになりました。
伸ばされた左手に、初めて私から手を置いて。
きゅっと握ったその手は、とてもとても大きかった。
男の子だ。
初めて意識した男の子。
この、なんだかワクワクしている感情を“恋”と呼ぶのかもしれないね。