ますかれーど
ほぼ真っ暗なこの部屋。
「ねぇ、電気ドコ?」
って聞いてみた。
すると、
「え?いるの?」
つけないことが当たり前みたいなお答えでした。
そんなこと言いながら、カチッとスイッチを押したみたいだけど‥
「これで全部なのっ!?」
「うん。あんまり明るいの得意じゃないんだよね」
ついたのは、壁際と足元の間接照明がいくつかだけ。
天井を見上げれば、確かにメインライトはなかった。
「暗くない?」
「別に?へーきだよ?」
そういえば、玄の部屋もこんな感じかも。薄暗くって恐いってケンカになったっけ。
……玄、なにしてるかな?
2ヶ月くらい話してない。会ってもすぐに顔を逸らされちゃうし‥。
心臓が縮まるような切なさが、私を襲った。
無意識に、ぎゅっとグーで胸を押さえる。
「……今、なに考えてる?」
「え?」
「なんでもないっ」
わたしーー‥?
「ねぇ心太、お腹空いてる?」
“なに考えてる?”
その声とは違って、明るく尋ねた彼に
何故か少しホッとしている自分がいた。
お腹‥?
あぁそういえば。
ちょっときゅるきゅる鳴ってるお腹を触ってみる。
「うん、空いてるかも」
「んじゃ、先にご飯食べに行こっか」
そう言いながら「はいっ」って差し出された手をきゅっと握ると、するりと指を絡められた。
「「ふふっ」」
2人顔を見合わせて笑みがこぼれる。
てくてくと部屋の扉の前までくると、ふと、さっきの事を思い出した。
あの子‥また会ったらどうしようーー‥
すると、クイっと顎を引かれて彼と目が合った。
親指で撫でられる頬がくすぐったい。
「大丈夫だよ。アイツはもう居ないから」
ふわりと落とされた触れるだけのキスに、私の不安が飛んでいく。
月が隠れてチカチカと弱々しく光る星。
夏の声が聞こえる穏やかな夜。
ひんやりとした広い広いこの家に、2人の足音が響いてる。
繋がれた手。
向けられた笑顔。
何気ない会話。
身体の中がきゅぅんって反応するの。
これは、
ーー何でだと思う?
「ねぇ、電気ドコ?」
って聞いてみた。
すると、
「え?いるの?」
つけないことが当たり前みたいなお答えでした。
そんなこと言いながら、カチッとスイッチを押したみたいだけど‥
「これで全部なのっ!?」
「うん。あんまり明るいの得意じゃないんだよね」
ついたのは、壁際と足元の間接照明がいくつかだけ。
天井を見上げれば、確かにメインライトはなかった。
「暗くない?」
「別に?へーきだよ?」
そういえば、玄の部屋もこんな感じかも。薄暗くって恐いってケンカになったっけ。
……玄、なにしてるかな?
2ヶ月くらい話してない。会ってもすぐに顔を逸らされちゃうし‥。
心臓が縮まるような切なさが、私を襲った。
無意識に、ぎゅっとグーで胸を押さえる。
「……今、なに考えてる?」
「え?」
「なんでもないっ」
わたしーー‥?
「ねぇ心太、お腹空いてる?」
“なに考えてる?”
その声とは違って、明るく尋ねた彼に
何故か少しホッとしている自分がいた。
お腹‥?
あぁそういえば。
ちょっときゅるきゅる鳴ってるお腹を触ってみる。
「うん、空いてるかも」
「んじゃ、先にご飯食べに行こっか」
そう言いながら「はいっ」って差し出された手をきゅっと握ると、するりと指を絡められた。
「「ふふっ」」
2人顔を見合わせて笑みがこぼれる。
てくてくと部屋の扉の前までくると、ふと、さっきの事を思い出した。
あの子‥また会ったらどうしようーー‥
すると、クイっと顎を引かれて彼と目が合った。
親指で撫でられる頬がくすぐったい。
「大丈夫だよ。アイツはもう居ないから」
ふわりと落とされた触れるだけのキスに、私の不安が飛んでいく。
月が隠れてチカチカと弱々しく光る星。
夏の声が聞こえる穏やかな夜。
ひんやりとした広い広いこの家に、2人の足音が響いてる。
繋がれた手。
向けられた笑顔。
何気ない会話。
身体の中がきゅぅんって反応するの。
これは、
ーー何でだと思う?