Friendship《短》
「失礼しました」
俺は担任に頭を下げた後、職員室のドアを開けて廊下に出た。
手に山ほどの書類を持たされて。
ついでに色々と話を聞かれたから、時刻はすでに正午を過ぎていた。
今日は新学期一日目だから午前中で帰れるはずだったのに。
他の生徒達はとっくに帰ったのか校舎の中は不気味なくらい静まり返っている。
俺も早く帰ろ。
「やめろ!!」
だけどそんな俺の足をとめる大きな声が窓の外から聞こえてきた。
足をとめて窓の外を見ると、そこは朝と同じく駐輪場兼駐車場。
だけど朝とは違い、茶色いランドセルの奴が黒いランドセルの奴らの前で手を大きく広げ仁王立ちをしていた。