Friendship《短》
朝は何されてもじっと耐えてたくせに、アイツなにやってんだ?
目を凝らして茶色いランドセルの奴を見る。
すると茶色いランドセルの奴の後ろには……真っ白な犬が怯えるように丸まっていた。
「動物をいじめるなんて駄目だ!!」
そう叫び、必死で犬を守ろうとする茶色いランドセルの奴。
朝とは違い、堂々とした姿に俺は驚いた。
それは黒いランドセルの奴らも同じなのか、ただその場に立って目を見開いている。
黒いランドセルの奴らを睨む茶色いランドセルの奴と、何も出来ずに立っているだけの黒いランドセル集団。
どちらが逃げるかなんて、誰の目にも明らかだった。
「くそっ! 明日覚えとけよ!」
そんなマンガみたいな捨て台詞を残し、走って逃げる黒いランドセルの奴ら。
茶色いランドセルの奴は奴らが去ってから後ろを振り返り、優しく犬を抱き上げた。