Friendship《短》
「おはよ」
俯きがちに席に座るノブは俺が声をかけると驚いたように顔をあげた。
「お、おはよう」
ただ挨拶をするだけなのに吃るノブに笑ってしまう。
するとノブは恥ずかしそうにまた顔を俯けてしまった。
「あのさ、俺、太田ソラっていうんだ。
名字一緒なんだよな?」
しまった、と思い慌てて話題を変える。
ノブは顔を俯けたまま目だけを動かして俺を見ると、小さく頷く。
その姿は警戒心丸出しで、怖がっていることがよくわかった。
「だから俺のことはソラって呼んでくれよ。俺もお前のことノブって呼ぶから。
あとさ……俺と友達になってよ」
恥ずかしくて最後のほうはとても小さな声になってしまった。
だけど警戒心丸出しのノブにははっきり言わないと、伝わらないと思ったんだ。