Friendship《短》
今から四ヶ月前。
古いながらも綺麗に掃除された部屋の小さなテーブルの前で、未だに地デジ化されていないテレビを見ていたとき。
「ソラ、あのね……おじいちゃんのところに引っ越そうと思うの」
なんの前ぶれもなく、母さんはそう言った。
「……なんで?」
六年生になって一ヶ月。
新しいクラスにも馴染んで、新しい友達も出来たのに。
俺の顔にはそんな不満が表れていたんだと思う。母さんは情けない顔をして、言いにくそうに言葉を付け足した。
「あのね……お店、閉めることになったらしいの」
「えっ!?」
俯く母さんと目を見開いた俺はそのあと、お互いに口を開けなかった。