Friendship《短》
「ありがとう。このお守りは入学したときにおばあちゃんがくれたんだ」
にっこりと幸せそうに笑いながら、お守りを揺らすノブ。
その笑顔から本当に大事にしているんだということがよくわかった。
「そうなのか。なくさないように気をつけないとな」
なんでツヨシ達はこんなノブをいじめるんだろう?
確かにノブは気弱だし、川遊びや山遊びは苦手らしいけど。
こんなにいい奴なのに。
「ソラの家は橋を渡って右だよね?」
「あっ、うん。
ノブん家は左なんだよな?」
まあどれだけ考えても俺にはいじめをする奴の気持ちなんてわからない。
俺は小さな橋を渡りながらそう結論を出す。
「じゃあまた明日。ここで待ち合わせな」
「うん! じゃあまた明日!」
橋を渡ったところで別れた俺達はそれぞれ家路についた。