Friendship《短》
しばらく黙ったまま見つめ合うと、ノブは学校のほうに走っていった。
俺はまた手探りで川底を探る。
だけど探っても探っても手にあたるのは石ころばかりで、お守りらしきものはない。
それでも諦めるわけにはいかない。
ノブはあいつらに負けないように学校に行ったんだ。
俺だって負けてたまるか。
そう、自分に気合いを入れながら川底を探っていたとき。
バシャン、と大きな音がした。
川に手を突っ込んだまま顔をあげると、そこには向かいの川端からフラフラと川の中を歩いて来るノブがいた。
俺はその姿に驚いて固まってしまい。
必死にこちらに向かって来るノブをマヌケな体勢のまま、ただ見ていた。