Friendship《短》
フラフラと何かに躓きながらも俺の前までやってきたノブ。
我に返った俺はそこでやっと立ち上がり、口を開くことが出来た。
「ノブ、なにやってんだよ!? はやく学校に行けよ!!」
「嫌だ! ボク、もう負けたくない!!」
涙の膜が張っている目。
だけどその目は本気で……それはあの犬を守っていたときと、同じ目だった。
ノブは俺の言葉を無視して、さっきの俺と同じような体勢で川底を探る。
こいつは意外と頑固だ。
なんたって、自分をいじめている奴らから犬を守るような奴だし。
「……ノブ、絶対に見つけるぞ!」
だから俺の言うことなんて聞くわけがない。
「うん!」
俺はノブの背中にそう声をかけたあと、同じように川底を探り始めた。