Friendship《短》
石でもないゴミでもないその感触。
どうやらこの大きな石と川底の隙間に挟まっているらしいそれを何度も撫でた。
高鳴る心臓を落ち着かせてそれが傷付かないように、そっと引っ張った。
意外としっかり挟まっていたそれを、傷付かないように引っ張り出すことは大変だったけれど。
その間にも俺の頬は緩んでいく。
独特の形に、長さがバラバラの二つの紐。
そしてなにより。
ツルツルした感触の中を邪魔するザラザラしたものがそれを証明していた。
ノブの勝ちだ。
そう心の中で呟いた刹那。
隙間から抜け出したそれは、俺の手の中にすっと入りこんできた。
ゆっくりと手を川底から上げる。
そして手の中のものを確認したあと。
俺はそれを川端に佇むノブに見せ付けた。