Friendship《短》
ノブが泣き止んだころ。
空は赤から藍色に変わっていた。
「ソラ本当にありがとう」
「だからもういいって。早く帰ろぜ」
涙を引っ込めたノブは笑顔で何度も俺にありがとうを伝える。
俺はそんなノブに向こうの川端からとってきたランドセルを背負わせた。
「じゃあまた明日な」
「うん。また明日」
そして二人で川端から橋の前まで移動して、昨日と同じような言葉を交わしていたとき。
橋の向こうから誰かの足音がした。
誰だろうと思い、反射的にそちらを見る。
ノブもそう思ったのかほぼ俺と同じタイミングで、橋の向こうに目をやった。
そしてその誰かを見た瞬間も。
俺とノブは同じような表情をしていたに違いない。