Friendship《短》

藍色の向こう側からは何も聞こえない。

ただ目を凝らせばうっすらとツヨシの輪郭が見えるだけ。

うん。あいつがもう何も言ってこないのなら、こうしていても無意味だな。


「ノブ。そろそろ帰……」

「ねえ、ツヨシ」

少し怒りがおさまった俺が、ノブに声をかけるのと同時に。

ノブはその目と声で、藍色の向こう側にいるツヨシをしっかりととらえていた。

なんだか、すげえ嫌な予感がする。


「……なんだよ」

小さな小さなツヨシの声が藍色向こう側から聞こえてきた。

ついでに鼻を啜る音も。

これは反則だろ。


「おいノブ……」

「ねえツヨシ。
僕と友達になってくれる?」
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