Friendship《短》
六年二組。
そこが俺の新しいクラスだった。
「転校生の太田ソラ君だ。ソラ、とりあえず挨拶よろしく」
「初めまして太田ソラです。よろしくお願いします」
そう形式的な挨拶をして頭を下げる。
担任は若くて爽やかな、いかにも人気がありそうな男の先生だった。
馴れ馴れしい感じがあまり好きではないけれど、良い人なんだろうとは思う。
新しいクラスメイト達は好奇心いっぱいの目を黒板の前に立つ俺に向けてくる。
皆、隣の席の奴とコソコソと何か話していて正直気分は悪い。
「皆静かにしろ。ソラの席は廊下側の一番後ろだ」
先生がそう言ってもまったく意味はない。
俺は仕方のないことだと自分に言い聞かせて、指定された席に向かった。