奏~君が教えてくれたこと~
* 第1章
「ごめんね、ありがとう」
キーンコーン カーンコーン
いつも通り、昼休みを告げるチャイムが鳴る。
あと5秒。
4…3…2…
「来た。」
ガラッ
奏の一言とほぼ同時に教室の扉が開く
『奏~!メシっ昼飯いこっ!』
「さすがだね、奏」
「ナツメ。」
奏の隣で "クールビューティー"、曲川ナツメ(マガリカワ ナツメ)が話し出す。
「だって…毎日なんだもん。いい加減あたしも覚えちゃうよ(笑)」
にこにこと笑いながら話す奏の隣で
おあずけをくらった犬のような表情をした鳴偉が奏を急かす。
『奏っかなでっ』
「るぅ、ちょっとうるさいっ めっ!」
「あはは、"めっ"て!」
『ナツメちゃんも言ってくれよ~(泣)』
「も~、ナツメにまで頼らないの!」
「ほんと飽きないわ、あんたたち」
あははっとまだ笑っているナツメの前で
鳴偉が奏を抱き上げた。
「きゃっ!るぅ、る…鳴偉!やめなさい!こらっ」
照れながら鳴偉をぽこぽこと叩く奏を無視し、鳴偉はナツメに毎日の日課を告げる。
『もー我慢できないっ
ナツメちゃん、奏かりるねっ!』
「は~い♪今日も行ってらっしゃい」