〜恋色のCeremony〜
〜昼休み〜
「はぁ……」
由紀のことで頭がいっぱい……。やっぱオレ……由紀のこと……
うつぶせながら考えていたら……
コツン
硬いものが頭に当たる。
「……誰?」
「せ・い・や・君♪」
「………」
孤拍かよ
沈黙の後、そのままうつぶせる。
「やーん!無視しないでよぉ!」
聖矢の肩を揺する。
「揺するな。」
「いいじゃん♪だって聖矢君、気分悪そうだったじゃん。」
孤拍はそう言い終わると聖矢の背中をさする。
しかし聖矢は孤拍の手を叩いた。
「ふぇ…聖矢君…酷いっ!!」
涙目で演技をする。なぜここまで分かるかは突っ込まないでほしい。
「由紀がいないからって、調子にのるな。」
「のってないもーんっ」
「とにかく、オレに近寄るな……」
「そー言われると〜…」
孤拍は聖矢の手をギュッと握りしめる。
「近づきたくなるのが、孤拍なのっ♪」
ニコッと笑いながら言う孤拍に、少し怒りを感じる。
沖重はどうしてここまでしつこいのか…。小さい頃から知っている…いわいる幼なじみだな。あいつの考えることは、分からなくもない。唯一分からないことは……
オレのことだ。
どう思ってんのかは知ったこっちゃないが……
気になる。
「いいもーん!」
そう言うと友達のところに行った。
「やっと行ったか……疲れるなぁ、沖重には…それより…由紀…大丈夫かな……」