2人は再び、それぞれの仕事にとりかかる。


「夜に爪を切ると親の死に目に会えない、という迷信があるけれど、朝も縁起が悪いって知っているかい?」

「知りません」

「兵士が出兵する際、形見代わりに朝爪切って置いて行った事に由来するらしい」

「それなら、昼しか切れないじゃないですか」

「迷信なんだから気に病む事はないさ」

「そうします」


女がコクリと頷く。


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