;KIZUNA
『なんでもいいけど、終わったんやったらそろそろ行こや?早よ服着て。』


「あ~い」

うちの一声に麻美は服を着だした。


「祥子~もう帰んの~?」

片手にバーボンの入ったグラスを持ちながら凌也が言った。


『いや・・いつもこんなもんやん。』

タバコに火をつけようとした、凌也の腕が伸びた。


「タバコやめろって。」

うちのタバコを横から取り上げた凌也をキツク睨む。


『はぁ?』


「だから、た・ば・こ!!」


『毎回毎回何なんだよ!!!』


「何回でも言うよ!!!」


『まじだりぃ』


「お前のためやからな?いつかわかる時がくる。」


いつかっていつ???

吸いたくて吸ってるんじゃないって、何でコイツにわかるんやろ??



「そゆこと~まぁまた明日な!!麻美ちゃんにもよろしく~~~~」

軽いノリだけ残して凌也は店の奥へ消えてった。


『明日はこーへんし・・・』


消え入りそうな声でつぶやいたうちは、少し苛々しながらタバコに手をのばす。



「おまたせ~~~~」

麻美の声にびくってなって、伸ばした手をひっこめた。


「ん??ど~したん??」

麻美が不思議そうな顔を浮かべる。



『なんもない・・早く行こ!!!』


そう言って無理やり麻美の手をひっぱって店の外に出た。
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