;KIZUNA
絶頂まで昇りつめて、その格好のまましばらく月が顔を出すのを待っていた。


少し肌寒い季節になってきたな。

車の中でセックスしやな。

冷え性のうちにとっては、快感なんかよりも重要な事。


いっこうに顔を出してくれない月に少し苛立って、乱れた服を直す。

ベンチに腰かけて、タールのキツイ煙草を取り出した。

カチンッ

このジッポ誰にもらったっけ???


・・・・忘れたわ。



家から歩いて5分の距離。

小さい公園のベンチの裏の影の部分で足を開けていた自分。

有名高校の制服が愛液に混ざってるなんて、親には口が裂けても言える事じゃない。

しかも、毎日違う男の。


なんか笑える。



有名な男子校のカバンから携帯を取り出した。


『麻美から電話だ・・』


セックスの時だけはマナーモード。

しかもバイブもなしのサイレント。

学校でもおかまいなしにガンガン着うたが流れてる携帯のくせに、この時ばかりは邪魔されたくない。

有名高校が聞いて呆れる。


“はい。はぁ~い!!”

電話の向こうはやけにハイテンションな麻美。


『うるさ!!!何???』

しゃべりながら、煙草の煙を空高くに打ち上げる。


“何してんの~~??”

この女は遠慮って言葉を知らんのか?

なんて、そんな麻美が好きなうちもちょっと変わってる。


『別に~』

麻美の口調に合わせたしゃべりかたに少し笑える。


“また、ヤッてたんやろ??”

そう、こんなうちを知る数少ない友達。






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