;KIZUNA
「祥子~~遅いしぃ!!!!」

いつものコンビニの前で、麻美が機嫌悪そうに携帯を手に睨んでる。

っとか言いつつ、やっぱりテンションの高い、この友達は一番落ち着く。


『ごめんって』

麻美の前で両手を合わせていちよう謝るそぶりを見せる。


そしたら・・・

「しゃーないなぁ~~」

ほらね♪


こんな麻美がホント好き。



「祥子~今日ドコ行く??」

うちよりは少し控えめな丈のスカートをパンパンはたいて、重い腰を上げた麻美。


『いつものトコでいいんじゃね?』

「だね」

その言葉を合図にうちの原付の後ろに麻美はまたがった。


うちは、アクセルを回す前に煙草に火をつけた。

ふぅ~~
一息吐いてアクセルを回した。

うちの癖。

煙草を吸いながら原付を乗る。


いつやっけ??
煙草吸いだしたのは。

別に
飯の後の一服は最高とか、寝起きは絶対一本とか、そんなん全く思わへん。

ただ、なんとなく口にしときたい。

このやり場のない想いを、煙草を吸う事によってギリギリ自分が自分であれた。


そんな事を思いながらも到着。


「うわ!寒なってきたなぁ~」

麻美の言葉に軽く頷く。


『待ちする前に“凌也”んトコにでも行くかっ』


「そだね。酒でも浴びよ~ぜ」

揃って歩きだす。


麻美といるこの空間はほんっと落ち着く。

何にもお互い干渉し合わへんこの関係。

夜街に出るは絶対麻美と一緒。


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