;KIZUNA
ネオン街の一本路地にはいった通り。

黒い看板にシルバーの文字で“PEACE”と書かれている。


ピースって意味知ってんのかよっとか、そんな事をいつも思う。


1一階にはつぶれかけ?(実はつぶれてんのか?)の喫茶店があって、とにかくお世辞にも綺麗とは言い難いこの外観。

凌也のバーはこのビルの地下2階にある。


階段を下る。


地下1階を通りすぎると階段で抱き合う奴ら。

またやでっ。。。

しかも男同士かよっ

まぁ恋愛は自由やし?

いーけど、あんま綺麗な図じゃなーよな。


「ま~たやで。」

しかめっ面の麻美。


初め連れてきた時はあまりの異世界に目ぇひんむいてたくせに。

こいつももうこっちの住人やな。


そんな事を思いながら、そのカップル?の隣を通りすぎた。


ガシっ

突然足首を掴まれた。


『ま~た?あんた、ほんと死ぬで?』

冷たい視線を降ろすものの、そいつはヘラヘラ笑ってる。


「また~???ってかトイレでやり~や。パクられんで???」


そんな声ももう届いていない。

完全イってんな・・


うちは絶対、ヤクだけはやんねー

それだけがうちのポリシー。


そいつの腕を蹴って、店のドアを開ける。


なんともいえへんお香の香りが漂った。
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