;KIZUNA
扉を開けるとソコには異様な空間が広がる。

異様と表現はしたけど、それは一般的にって事やで?

うちらにしたら、この店はこんなトコって感覚でしかないけど。


迷いなくカウンターに座った。


「おう!祥子に麻美!!久しぶり?」

「凌ちゃん!!2日前に来たってば」

「そうやっけ?俺、やべ~」

舌を出すのが癖らしい。

凌也はこのバーの店長。

バーって言っても酒が飲めるんはこのカウンターの3席だけしかない。

後は、だだっぴろいホールになってる。


「今日はど~する?」

そんな凌也の声に

『うちは知ってるだろーが』

冷めた口調で話す。


愛想をふりまかなくてもいい麻美以外の唯一の相手。


「祥子はそ~やな。麻美は?酒飲んでからか?」

「う~ん。そのつもりやってんけど、酒は後で!」

「そうかっ。じゃ楽しんでけよ~」

「うん!じゃ祥子待ってて~」

可愛らしく手を振る麻美は純粋そうな乙女に見えるねんけど。


そして、ホールに立った麻美は服を脱ぎだした。

下着姿の麻美は、お立ち台に登り、腰を振って踊りだす。

その下でなめるような目をした男が群がる。

麻美がブラジャーを取ると、歓声が沸き起こる。

そしてパンツも脱ぐと足を広げて座った。

その行為に耐えられない男達は麻美の体に寄り付く。

そしてみんなが全裸になって、麻美の体を貪りつくす。


中には薬をきめてる男もいるし、全裸で踊り狂うあの女なんか14歳だ。


麻美はもうここでしかイけへんっと言っていた。

普通の快感では満足できないみたいで。



そうこのバーは、バーとは名ばかりの乱交場。

もちろん入場料は女は無料で男は鬼高い。

そのへん凌也はきっちりしてる。


「あ・・あん!!あ~~~~」

麻美の絶頂を迎える声がこだまする中で


『モスコミュールちょーだい。』

うちの冷めた声。

「あいよ。ほんっと、祥子ぐらいやで?こんな中で平気で酒飲めるんは。」

クスっと笑った凌也の顔がまたかわいい。






< 9 / 14 >

この作品をシェア

pagetop