Heart of Melody

「ぉっ……」


里佳はタタッと走り去った。



「………長月」

「今の、全部聞いた

なんで、俺の気持ちも聞かずに決め付けてんの？」


「そんなの、だって……」

うちは口ごもっていた。


「俺、やっぱ、諦められなくなっちまったじゃねぇかよ！」


長月が赤面しながら叫んだ。


「えっ……？」


「友達の元カノに手出せないって、一度フラれてんのに好きで居てくれないかもって不安になったりしたから……諦めようかな、なんて思ったり…


やっぱ諦められないかもって…思ったりしてた」



長月は、スッと手を伸ばし、うちを抱き寄せた。


「でも、今の聞いたら諦めるなんて無理

大好きだよ」


ギュッと抱きしめてくる長月。


「………うちなんかでいいの？
あんなに長月や師走を傷付けてるような、うちで」


「良いんだよ、お前はお前なりに考えてたじゃんそれが分かってるから好きなの」


「ふぇ……っ」



うちは涙が止まらなくなってしまって、長月の胸を借りて泣いていた。