Heart of Melody
そんなこんなで、俺と水無月で自由曲の指揮と伴奏をやることに。
夏休み。
二人で部活を抜け出し、先生付きの練習に行った。
「じゃあ先に水無月さんの指揮練習するから、長月くんは隣の音楽室で練習してて?」
先生が言ったから、俺は埃っぽい部屋に行った。
「よしっ練習…」
一回弾き終わったときに、すぐ先生が来た。
「水無月さんもう完璧だったから、長月くんやろうか~」
(完璧って…ι)
そして俺も言うことないわね、と先生に言われ、すぐに合わせることになった。
「じゃあいくわよ、
1.2.3ハイ」
水無月の振った指揮は、歌と伴奏を支えて、広げるような…そんな雰囲気を醸し出していた。
伴奏もスイスイと指揮のペースに引き込まれる。
指揮を振っている水無月の表情はとても綺麗だった。
~♪
「二人とも…先生顔負けだわ…」
「長月の伴奏、すごく綺麗…振りやすいし」
水無月は俺に詰め寄った。
「長月、天才!スゴイ~~☆(o≧▽≦)o」
水無月はテンションMAXになっていた。
「そうかぁ?でも、水無月の指揮のおかげであそこまで綺麗に弾けたんだ
水無月の指揮に引き込まれる感じだった
水無月の指揮、ハンパなかった」
俺は水無月を見つめ返した。
「…………ありがと」
水無月は少し赤くなりながら、微笑んだ。
(わっ…………)
心臓がドキドキしていた。
(水無月って、こんな可愛かったっけ…?)
俺は、いつの間にか水無月の指揮のように、水無月に惚れ込んでいた。