Heart of Melody
「なぁ、」
俺は水無月の肩を叩いた。
「ん?なに?」
今日は珍しく髪をポニーテールにしていた。
「みなちゃんなんて皆呼んでる?ι」
俺は聞いた。
「……あ、そういや誰も言って来ないね!!良かった☆」
水無月はパアッと表情を明るくさせた。
「忘れてんじゃん??」
俺は頭の後ろに手を組んだ。
「忘れっぽくて良かったよ((笑」
水無月はトンと教科書とノートの高さを揃えた。
そんな仕草でさえときめいちゃう俺はおかしいのかな…?
師走が水無月と話してると、モヤモヤしちまうし…(まぁ世間じゃヤキモチだよな)
師走が水無月を好きなんだって思わせる行動をすると、俺はもっと好きになる。
俺、どうしちゃったんだぁ……?
「長月…?」
水無月が突っ伏してた俺を心配してか、床に膝をついて、俺の顔を覗き込んだ。
「具合、悪いの?」
そっと水無月が俺の手を撫でる。
「……///」
俺は心臓がバックンバックン言って、水無月を見れなくなった。
「大丈夫…だからな」
「ホント?最近ずっとそんな調子なんだもん…」
「……これは、俺の問題なんだ、自分でしか答えを導けない」
「……そっか」
水無月はそう言って、立ち去った。
(なんで、水無月はあんなに俺を心配してくれんのかな…?)
俺はいつの間に、水無月をこんなに好きになってたんだ…?
もう、紛らわせない、揺るがない、気持ち。
師走を、ライバルにまわしてでも…揺るがない、この気持ち。
はっきり、わかった。