Heart of Melody



「オッと萌えてしまったιじゃあキス出来んのか
!?」


男子が言い出した。



「ちっしつこいなぁ」


うちは呟き、男子達の方を見た。



「そんな恥ずかしいコト…出来ないから!
だって、抱きしめられたのだって初めてで戸惑ってるのに…」



うちはジッと男子を見つめた。



(この可愛い顔に上目遣いは凶器に等しいな((笑)


長月は思った。



「うっ水無月のその顔には…」


「勝てない~~♪」



男子はもうメロメロだった。



「え、そんな?」


うちはまさかメロメロになるとは思ってなかった。


キモッってなる予定が…ι



「水無月サイコー((笑」


そう言って、長月はうちの頬にキスした。



「わぁ歩夢がキスしたっ」


「ヒュー♪」




と、こうして、偽りの付き合いが始まった。



でも、うちは心のどこかで

[偽りじゃなくて、ホントが良いな…]

なんて思っちゃう自分が居た。



やっぱり、うちは、



長月が好きだったんだ。




実はずっと悩んでた。



初めて抱く気持ちだから分からなくて…。



一年生の後半から、あの指揮と伴奏練習を音楽室でやった日からずっと………。



考えてたよ。



想ってたよ。



でも、長月はきっとうちなんか恋愛対象外だろうな………。




三人のメロディは、音が上手く合わない。


どんどん乱れて、不協和音になっていく。




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